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コロナショックでリスクが再び明るみに・・、本当は怖い仕組債の話

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みなさんこんにちは!

 

コロナショックによる連日の相場乱高下が少し落ち着いてきましたが、まだまだ気は抜けない状況です。

この相場の急落で、年初から株を保有している人たちは大幅な含み損を抱えたわけですが、それ以上に危ない状況に置かれている人たちがいます。

それは、急落前に仕組債を購入していた人たちです。

 

仕組債とは?

そもそも仕組債とは何でしょうか?

「債」とつくから債券の一種ではあるのですが、デリバティブ金融派生商品)の「オプション」や「スワップ」を組み合わせたかなり複雑な商品になっています。

購入すると、年間で数%の利金が入ります。

一定期間経過後にあらかじめ指定した条件で相場が動けば、元本が確保され償還されます。

この「条件」というのが、例えば「日経平均が30%以上まで下がらなければ」とか「円高が〇円まで進まなければ」といったかんじの内容です。

この「~まで」の基準値を「ノックイン価格」と呼びます。

 

  相場が上昇して通常であれば値上がり益が出ても仕組債では値上がりした分の利益はもらえません。

 それどころか、「早期償還条項」という要件が組み込まれており、相場が一定水準まで上昇すると、運用期間中であっても強制的に償還され、その後の利息は受け取れません。

 

 その代わり、相場が下がってもノックイン価格の手前までの下げ幅なら償還時に元本が満額戻ってきます。

 しかし、期間内に一度でもノックイン価格を下回ってしまうと投資元本が相場の動きと連動するようになります。

 ノックイン価格を下回るような価格だとかなり大幅な下落なので、償還時までに価格を戻すのは難しいです・

 したがいまして、ノックインに達した仕組債は元本割れのリスクが非常に高くなります。

  

仕組債にはいくつか種類がありますが、証券会社や銀行窓口でよく売られている代表的な仕組債は「株価連動債」と「EB債」です。

 

株価連動債とは?

 

株価連動債は日経平均などの株価指数に対して連動する仕組債です。

トヨタソニーなどの有名企業の個別株に連動した商品もあります。

一番メジャーなのは「日経平均リンク債」です。

例えば、販売基準日の日経平均が10000円の場合、期間1年、早期償還水準が12000円、ノックイン価格が5000円、利率3%(クーポン)の日経平均リンク債がを額面100万円購入したとします。

 

日経平均があまり変動しなかった時

期間中に日経平均が12000円~5000円の間で推移すれば、1年後にめでたく

3万円の利息とともに投資元本100万円が返ってきます。

 

日経平均がかなり上昇した場合

仕組債を購入して数か月後に日経平均が急騰して12000円を突破しました。

この場合、早期償還水準に達したため強制的に償還されます。

元本100万円は戻ってきたものの、利息は当初予定の1/4しかもらえませんでした。

 

日経平均が急落した場合

同じく仕組債を購入して数か月後、世界的に政情不安が発生しリスク回避から株価が急落しました。

日経平均も一時5000円を切る水準まで下がってしまいました。

この時、判定期間中にノックイン価格の5000円に達してしまったため、トリガーが発動し元本が日経平均に連動するようになってしまいました。

1年後、日経平均は7000円になっていました。

利息を受け取ったものの、元本を30万円ほど割って償還されました。

 

①のように判定期間内の日経平均が早期償還とノックイン価格の間で動いてくれればいいのですが、テクニカル分析に詳しい人でも正確に把握することは困難でしょう。

IMFや日銀の金融政策、災害やテロなど突発的な要素でも10~20%程度は簡単に動いてしまいます。

 

そもそもリスクの割にリターンがショボすぎます。

元本が半分になるリスクを覚悟して、リターンが年数%って・・。

日経平均インデックス投信でも買っておけば、②のケースなら20%以上のリターンになるし、③のケースでも50%も下落する前に損切りすることも可能です。

※ちなみに、仕組債は中途解約ができません。

 

EB債(他社株転換条項付債券)とは?

 

EB債は1999年から2000年にかけて高金利を売りにして流行した債券です。

2000年4月にITバブルが崩壊し、ノックインにより多数の被害者が出て社会問題化したほどです。

 

しかしながら、長引く低金利の中でも高金利が提示され消費者からすると魅力的に映るため、いまだに金融機関で販売され続けています。

 

EB債と株価連動債の違いはEB債が「他社株転換条項付」という点です。

当初設定した条件次第では、償還時に現金ではなく株式が渡される仕組みです。

下図のEB債の広告例を使って説明しましょう。

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一見すると、利率が高く良さそうな商品に見えます。

しかし、判定期間中(満期日の1週間くらい前が多い)に「しゃぶしゃぶ製薬」の株価が行使価格である2080円を下回っていると、償還時には現金ではなく、しゃぶしゃぶ製薬の株が渡されます。

当初よりかなり価値が下落した株を渡されるだけなので、このEB債を購入していた人はしゃぶしゃぶ製薬の株を損切りして売るか、塩漬けして値段が回復するようお祈りするかしかなくなります。

たいてい、EB債に利用される株の銘柄は誰もが知っている日本を代表する有名企業であることが多いです。

「あの○○自動車の業績は絶好調だから下落リスクが少なく安心ですよ」的なセールストークで証券会社は巧みにEB債を売りつけてきます。

 

株価連動債、EB債ともに「債」と名がついていますが、実際には株価リスクを持つ商品ですが、そのリスクのパターンが特殊で顧客にとって大変不利なのです。

 

普通の株式であれば、株価が下がればその分だけ損をするものの、株価が上がればその分だけ利益が得られるというものです。

 

ところが、仕組債が持つ株価リスクは、株価下落時には株価が下がれば下がるほど損をする可能性があるのに、一方で株価が上昇した時はいくら値上がりしても、利益は債券の金利だけに限定されていて、株価上昇のメリットを十分に受けられません。

 

ハッキリ言って、顧客としてはかなり不利なリスクを引き受けるのですから、少なくとも30%以上の金利はもらわないと割に合わないと思います。

 

仕組債は購入時に手数料が掛からないため一見お得に感じますが、実際にはかなり高い手数料がすでに組み込まれており、提示されている利率から差し引かれているのです。

 

以上のことから、仕組債を「債権だから株みたいに価格変動しないで安全だろう」などと考えて購入すると大やけどする可能性があります。

相場が割と安定している時はいいですが、今回のコロナショックのようなことが起きれば簡単にノックインに達して大損するリスクが高いです。

 

元本割れがイヤで債権を選ぶ方は利率は低いですが、日本国債ぐらいでの運用をおススメします。

国債より貸し倒れリスクは高まりますが、年4~5%程度の利回りを求める方は不動産案件のソーシャルレンディングがいいでしょう。

貸し付けのため、投資期間が一定で価格変動もありません。

不動産案件ならその対象となる不動産を担保にして貸し付けを行うため、他の案件に比べ取りはぐれが少なくなります。

 

中でも、不動産投資の専門家が集まっているという点と案件の豊富と実績、貸し倒れリスクの低さからOwnersBook(オーナーズブック)という会社をおススメしています。

口座開設や管理費は無料ですので、興味のある方は下記リンクから口座開設してみてください。

不動産特化型クラウドファンディングサービス【OwnersBook】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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