自社株買いは株主還元になるのか?
みなさんこんにちは!
株に投資をする際、何を重視して購入していますか?
個人投資家の場合、配当利回りや株主優待を重視して購入する人が多いため高配当の有名企業は人気があります。
やはり人間の心理的に年金やお小遣いの代わりのように、定期収入を得たいという気持ちが強いのかと思います。
手持ちの株を売らなくても、定期的に入ってくる配当は売買のストレスに左右されないため、魅力的に映るのでしょう
実際、毎月分配金が払われるタイプの投資信託が人気があり、金融機関も手数料を多くとれるのでそういったファンドを勧めてきます。
しかし、配当と並ぶ株主還元策として「自社株買い」という制度があることをご存じでしょうか?
自社株買いとはその名の通り、企業が証券市場に流通している自分の会社の株式を買い戻す行為をいいます。
それって意味あるの?と思うかもしれませんが、この自社株買いによりその会社の株価を押し上げる効果があります。
なぜなら、自社株買いを行えば(投資家が保有する)1株あたりの会社の持ち分が増え、市場に流通する株式数も減少しプレミア感から株価が上昇しやすくなります。
例えば、当期純利益20億円、発行済株式総数10万株の企業が2万株の自社株買いを行った場合
自社株買いの前 1株あたり純利益=20億円÷10万株=20000円
自社株買いの後 1株当たり純利益=20億円÷8万株 =25000円
1株当たり純利益はEPSと呼ばれ、企業の収益性を測る指標になります。
一般的にEPSが増加すると株価を押し上げる要因になります。
なので、上の例でみると自社株買いによりEPSが5000円増加した結果、その分株価の上昇圧力となり、株主の利益となります。
米国では以前より株主還元の一環として自社株買いをする企業が多いですが、近年では日本企業でも株主還元を重視し、配当とともに自社株買いをする企業が増えています。
例えば、キャノンは以前から自社株買いや高配当のキープを続けていますし、最近ではソフトバンクグループが自社株買いを発表しています。
自社株買いを行うには、大量の現金が必要ですから財務状態が良い企業でないと行えません。
また、過去に自社株買いを行い、IRに積極的な企業は再度自社株買いを行う可能性が高いことから、その銘柄は注意深く監視しましょう。