マネーガイドブック~新時代を生き抜くお金の話~

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これからは取引する銀行を真剣に選ぶ必要がある理由

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みなさんこんにちは

 

大人になると誰でも銀行口座の一つや二つをお持ちだと思います。

大都市圏ならメガバンク、地方なら郵貯や地銀をメインに使っている人が多いです。

銀行員は一昔前まで「第三の公務員」とまで言われ、安定的なイメージがありました。

 

しかし近年、「マイナス金利政策」や「フィンテック」という言葉を聞くようになりました。

 これにより、あなたの取引している銀行がいつ潰れてもおかしくない状況にさらされています。

その理由と、今後も生き残るであろう銀行についてお話ししたいと思います。

 

銀行の収益の仕組み

 

私は銀行員時代、主に個人の資産運用や融資に携わってきました。

スーパーや家電量販店などと違い、銀行は「金融」という目に見えないサービスを売るビジネスです。

銀行の利益の源泉は、お客から集めたお金を他のお客へ貸し出すことによる利息収入が基本です。

 

しかも、「信用創造」という制度により預かったお金の何倍ものお金を貸し出すことが可能です

 

これはサラ金などには無い、銀行だけの特権です。

 

ご存じのように、今の時代銀行へ預金しても利息はほとんどつきません。

 

普通預金へ100万円預けても、金利は大手銀行で0.001%なので、1年でもらえる利息は

100万円 ✖ 0.001%=10円 

しかも、ここに税金が20%ほどかかるため、手取りは8円です。

お客である預金者がもらえる利息はこれだけですが、銀行側はどうでしょう?

マイナス金利政策により金利が下がっているとはいえ、住宅ローンで0.5~1.5%程度の金利をつけています。

なんと預金の数百~千倍以上の金利です。

 

しかも信用創造で数倍のお金を貸し出せるので、利益はさらに数倍になります。

(おまけに銀行の広告で出している金利の他に「保証料」や「手数料」がかかり、さらに銀行は儲けが増えます)。

 

つまり、銀行のビジネスモデルは仕入れ(お客からの預金)が極端に安く、売値(他のお客への貸し出し)が高い利ザヤビジネスと言えます。

※ただし、貸し倒れが起きれば損失のリカバリーが大変ですが・・。

 

預けても利息が付かないからと言って、お金を全てタンス預金にする人はほとんどいません。

手元に大金を置いておくより、銀行に置いておく方が安全だからです。

なので、銀行へは黙っていても大量の現金が集まります。

 

その集まったお金を別の顧客へ貸し付るのですが、貸し付け先が見つからない場合の余分な資金は運用をして儲けます。

 

運用と言っても、デイトレーダーのように積極的にリスクを取りに行くわけではありません。

 

運用先は、日銀の当座預金へ預けるか国債を購入するくらいです。

しかし、政府がマイナス金利政策を実施したことにより、日銀にお金を預けておくと逆にお金を払わなければならなくなりました。

 

なので、ほとんどの資金が国債の購入に回されます。

理由は預金より国債の利率の方がいいからです。

利ザヤはわずかですが、金額が何百、何千億円となってくるとそれなりに儲けが大きくなります。

大量の資金を投じることができる銀行にとってはローリスクハイリターンな運用です。

日本の銀行のほとんどはこのような超保守的な経営を行っています。

また、銀行に限らず生命保険会社など他の金融会社も同じような運用をしています。

 

他にもたくさんある銀行の儲かる仕組み 

 

①個人ローン

マイナス金利でもカードローンなど無担保融資の金利は10数パーセントの高利でドル箱となっています。

住宅ローンは不動産を担保にとり、貸す相手はサラリーマンや公務員などの収入が安定した人に限るため、低リスクで利益を得られます。

 

②振り込みや口座振替、ATM手数料

銀行の窓口や自動引き落としで取られる手数料もかなり大きい稼ぎ柱です。

振り込みはかかる経費なんて人件費くらいですし、ATM手数料は「自分で操作するのに何でお金取るの?」と言いたくなるくらい銀行は何もしません。

 

投資信託や保険販売等による手数料

近年、銀行が最も力を入れている分野です。

証券会社や保険会社と違い、顧客の口座情報が見れるため、多額の預金を寝かしている人はすぐにわかります。

預金にしておかれても、銀行は利子を顧客に払う必要があるためマイナスです。

その預金で投信や保険を買わせれば、手数料も取れて預金が減り利子を払う必要が無くなるため、一石二鳥ということです。

 

今まではこういった儲かる仕組みが順調に機能していましたが、近年は銀行を脅かす存在が次々と出てきています。

 

1 マイナス金利による収益低下

銀行の本業である「融資」に直接影響を及ぼす政策です。

住宅ローンは今や1%を切る低利になっていますし、会社向け融資も競争激化でどんどん下がっています。

金利の高いカードローンも総量規制により、年収に対して貸せる上限が決まってきてしまいます。

 

2 資金調達手段の多様化

一昔前は、企業や個人が資金を調達するときは銀行から借りるのが一般的でした。

株式上場や社債発行による手段もありましたが、行うのは一部の大企業だけでした。

近年はソーシャルレンディングクラウドファンディングなどを通じ、借り手と貸し手を直接結びつける仕組みができました。

またlPOや投資法人証券など、銀行を介さずに資金を調達する選択肢が増えています。

 

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3 異業種の参入

規制緩和により、セブンイレブンソニーなど他の業界でも銀行業を行えるようになりました。

しかも、店舗を持たないネット銀行の形態が多く、預金やローンの金利が一般的な銀行より有利になっています。

また、トヨタなども自動車購入の際に子会社の信販会社でローンを組んでもらうなど、顧客の囲い込みが進んでいます。

最近ではLINEが野村証券と提携し、LINE証券を立ち上げ、ポイントで投信や株の購入ができるなど新しいサービスが広がっています。

LINE証券

 

4 高い人件費やオフィス代

銀行員は平均的なサラリーマンより高給取りです。

そして駅前の一等地に店舗を構えていることが多いため、オフィス代も高く経費がかさみます。

日本の銀行の場合、使えない社員のクビを簡単には切れないのでリストラも難しいです。

 

5 仮想通貨や電子マネーなどフィンテックの本格化

数年前からビットコインなどの仮想通貨が新しい投資手段として流行っていますが、この仮想通貨が実際に使えるリアル通貨になりつつあります

※すでにビックカメラメガネスーパーなどを始め、多くの店舗でビットコインでの買い物が可能です。

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さらに仮想通貨ならではのメリットもあります。

それは送金や決済時にほとんどコストがかからない点です。

例えば、銀行窓口で海外口座へ1万円送ろうとした場合、8000円位の手数料がかかりますが、これをビットコインで送金すればほぼゼロです。

また、paypayなどのキャッシュレス決済の普及を国が後押ししているので、現金を銀行窓口で引き出す必要性が少なくなると予想されます。

 

こういった背景から将来的に、多くの銀行が統廃合になると思います。

なので、私が考えるこれからも生き残るであろう銀行を紹介します

 

1  メガバンク

大企業の数百億円に及ぶ融資金額に対応できることと、全国に店舗を有する強みがあります。

また、地方銀行と違い海外へ進出しやすい点がポイントです。

 

2  ネット銀行

店舗を持たないため、金利優遇などによる顧客の囲い込みがしやすい。

親企業がしっかりしていれば、潰れにくいです。

 

3  信用金庫

地元の中傷零細企業のパートナーとして古くから機能しており、強固な固定客が多い。

大きい銀行が真似できない(というより手を出さない)集金などの業務を行なっており、競合が起きにくいです。

 

4  ゆうちょ銀行

国内最大の個人預金額があり、圧倒的な店舗数があります。

上場されたとはいえ、実質的な大株主は国なので潰れる可能性は低いです。

 

これら以外の銀行は独自のビジネスモデルがない限り、淘汰されていくでしょう。

潰れなくても、店舗の統廃合や手数料の値上げなどによりサービスが悪化していく可能性は大です。

そもそも口座管理手数料が導入されれば、銀行口座自体を持つことが時代遅れになる可能性も有りうるでしょう。

 

アマゾン銀行が誕生する日 2025年の次世代金融シナリオ
 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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