サラリーマンの節税術入門その②「扶養控除 別居の人も扶養にとれる!」
みなさんこんにちは(^^♪
前回はサラリーマンの税金と控除の重要性についてお伝えしました。
今回から、サラリーマンでも使える控除についてご説明していきます。
まず最初に、扶養控除です。
扶養控除は、子どもや両親などの家族を扶養している方が受けられる控除です。
要するに、収入がない人の面倒を見てる人は大変だから、税金を安くしてあげましょう、という考えですね。
控除額は扶養する人の年齢とかで異なりますが、一般の扶養親族で38万円です。70歳以上の同居老親等なら58万円、19~22歳は特定扶養となり、1人で63万円の控除があります。
ただし、16歳未満の子供は扶養に取れますが、控除枠がありませんので気を付けましょう(住民税の非課税判定の計算には使用される)。
例えば、扶養親族を3人取れば、それだけで100万オーバーの控除額になります。別居している親族でも仕送りをしていて、生計を一にしていればOKです。
外国に住んでいる人を扶養に取る場合は、本当に仕送りをしているのか送金の証拠書類を求められますが、国内であればそれも不要です(ただし、税務署につつかれる可能性も0ではないので、実際に扶養に取る人の口座に毎月一定額を振り込みして証拠を残しておくことをお勧めします)。
つまり、実質的に扶養に取れるかの判定基準は扶養される人の所得のみになります。
扶養に取れるかどうかの所得基準は38万円以下であることです。
よく、旦那が正社員で奥さんがパートの場合、「年収103万円の壁」と言われることがあります。
これは奥さんがパート収入のみで、年収が103万円以下なら所得が38万円以下となるため、年収103万円が控除を受けられるかどうかの判定ラインになるということです。
※配偶者(奥さんや旦那さん)につきましては配偶者特別控除という制度がありまして、年収が103万円を超えても控除が使えます(ただし、控除額は年収が増えるごとに下がっていきます)。
H30からは最近の女性の社会進出の関係で、特別控除の上限額がかなり引き上げられました(所得76万→123万へ。年収ベースだと約205万円)。
ただし、申告する本人の所得が900万円を超えていると、控除額が引き下げられます。
所得ごとの控除額の詳細はこちらの表でご確認ください(国税庁HP)
http://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1195.htm
この扶養控除について、両親や子どもしか取れないと思っている方が多いですが、実はかなり遠い親戚まで取れます。
具体的には、配偶者以外で16歳以上の6親等内の血族及び3親等内の姻族とされています(配偶者の扶養は配偶者控除という枠になります)。
ザックリ言うと血族は血のつながった家族、姻族は婚姻とかで家族になった戸籍上の家族というイメージですね。
例えば、6親等の血族ですと自分のいとこの孫、3親等の姻族ですと、配偶者側の(つまり義理の)オジ、オバさんも対象になってきます。
家族はみんな働いてるから扶養に取れないよ~という人も親戚中をひっくり返して探してみれば、ひょっとしたら取れる人がいるかもしれません。
ちなみに、噂によると税務署の人は制度を熟知してるから扶養をたくさん取っているという話を聞いたことがあります。
注意点としては、親を複数の兄弟で扶養していても、その内の一人にしか控除がつけられないということと、もし別の親族と重複して扶養に取ってしまうと、後で市町村から扶養を否認され(市町村は住基情報があるため、扶養者の紐づけを行っている)税額が上がる可能性があることです。
いずれにしよ、扶養に取る人へは誰であろうと「扶養に取らせてください」と一言断っておきましょう。
別の人が扶養に取りたかったのに取れなくなり、トラブルになることもあるので・・。
いかがでしょうか?
書類に扶養する人の名前を書くだけで税金が減らせるならやらない手はありません!
控除額も一人につき38万円以上と大きいため、かなりの節税効果が期待できます。さあ、あなたも扶養に取れそうな親族を探しましょう♪
ちなみに、ご自身で確定申告をされる方はこちらの本がおススメです。
ワイドカラーで見やすく、サラリーマンに関係する申告についての詳細がほぼ全て載っており、実際の申告書の練習シートで書き方がレクチャーされています。
申告に必要な物からスケジュールまで細かく載っているので、初めての人でも安心です。